自分だけの価値の見つけ方は?「自分らしさ」を見失った時に立ち止まって考えたいこと
by
Takaya Yoshinaka
8/2/25
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ファクトチェック済み
本記事は査読付き学術論文および実証研究に基づいています。
「最近、自分らしさや何がしたいが分からなくなった」と感じることはありませんか?周囲の評価や結果に振り回されて、自分の価値が見えなくなる瞬間は誰にでも訪れます。
この記事では、心理学の最新研究をもとに、自分だけの価値を見つけるための考え方と、明日からできる具体的なヒントをお伝えします。
外側の評価に頼らない「本当の価値」とは
私たちは、他人の評価や目に見える成果で自分の価値を測りがちです。しかし、心理学の研究では「条件付きの自己価値」と「無条件の自己価値」という考え方が提唱されています。
条件付きの自己価値は「認められれば価値がある」「結果を出せば価値がある」といった外的な条件に依存します。一方、無条件の自己価値は「どんな状況でも、あなたはあなたとして価値がある」という考え方です。
この「無条件の自己価値」は、必ずしも「何もしなくていい」ということを意味しているわけではありません。むしろ、「自分には基本的な価値がある」という安心感があるからこそ、失敗を恐れすぎることなく新しいことに挑戦したり、自分の可能性を広げていったりできるのです。
最新研究から見る「自己価値」の本質
近年の心理学研究(Bilfulco et al., 2002 など)では、無条件の自己価値が精神的な安定や挑戦への意欲につながることが示されています。
また、自己価値の認識は、うつや不安のリスクにも影響を与えることが分かっています。自分の価値を外的な条件に結びつけすぎると、心の脆さや不安定さが増す傾向があります。逆に、無条件の自己価値を意識することで、困難な状況でも自分を保ちやすくなります。
自分の価値に気づくための3つのヒント
「価値がない」という言葉を手放す
自分を否定する言葉を使う習慣は、少しずつ変えていくことができます。
「価値がない」と思った時は、「まだ見つけていない」「これから見つけていける」と言い換えてみてください。この小さな言葉の変化が、新しい可能性への扉を開きます。
日々の小さな気づきを書き留める
日常の中で「自分らしさ」が垣間見える瞬間を意識してみましょう。
誰かの言葉に心が動いた時や、何かに夢中になった時など、小さな気づきをメモすることで、自分の価値観が少しずつ見えてきます。積み重ねることで、自分らしさの輪郭がはっきりしてきます。
完璧を求めすぎない
自分らしさを探す旅に「正解」や「完璧」はありません。遠回りや立ち止まりも、すべて大切な過程です。試行錯誤の中にこそ、かけがえのない学びがあります。
明日からできる小さな一歩
一日の終わりに「今日のよかったこと」を振り返ってみませんか?誰かに親切にできたことや、小さな発見でも構いません。
もし思い浮かばない日は「明日はこんなことをしてみたい」と考えてみるのもおすすめです。完璧を目指すのではなく、一歩ずつ自分らしい歩み方を見つけていきましょう。
Reference
Bilfulco, A., Moran, P. M., & Lillie, C. B. (2002). Adult attachment style: It's relationship to psychosocial depressive-vulnerability. Soc. Psychiatry and Psych. Epidemiology, 37, 60-67.