自分を見失っていませんか?|共依存の7つのサインと抜け出すためのヒント
by
Takaya Yoshinaka
5/28/25
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ファクトチェック済み
本記事は査読付き学術論文および実証研究に基づいています。
「NOと言えない」「一人になると不安」など、つい相手のために自分を犠牲にしてしまうことはありませんか。共依存は、誰にでも起こりうる関係の問題です。
この記事では、心理学の最新知見をもとに、共依存の7つのサインと、そこから抜け出すためのヒントをお伝えします。
共依存とは?心理学・研究から読み解く
共依存(codependency)は、自分の価値や存在意義を「誰かに必要とされること」に強く求めてしまう心理状態です。たとえば、相手の感情や行動に過剰に反応してしまうことが特徴です。その結果、自分自身の気持ちや健康を犠牲にしてしまい、関係が悪循環に陥ることも少なくありません。
心理学の研究では、共依存の背景には幼少期の家庭環境、自己肯定感の低さ、アダルトチルドレンなどが関係していることが多いとされています。こうした背景から、「自分がいないと相手はダメになる」「相手の期待に応えなければならない」と思い込みやすくなります。
また、共依存傾向が強い人は、うつ傾向や人生の満足度の低下、ネット中毒のリスクが高まることも報告されています。つまり、共依存は心の健康や人間関係の質に大きな影響を与える問題だといえます。
共依存かも?7つのサイン
1. 「NO」と言えない自分がいる
相手の期待に応えようとしすぎて、断ることに強い不安や罪悪感を感じていませんか。「拒絶されたくない」という気持ちが強いと、自分の気持ちを後回しにしてしまいがちです。
2. 一人の時間に不安を感じる
誰かと一緒でないと安心できず、一人でいると価値が下がったように感じることはありませんか。これは単なる寂しさではなく、「自分の内面と向き合うことへの不安」が関係しています。
3. 相手の問題行動を無意識に支えてしまう
パートナーの遅刻や約束破りなど、問題行動を庇ったり隠したりしていませんか。短期的には波風が立たないかもしれませんが、長期的には相手の成長を妨げてしまいます。
4. 対立を極端に避けてしまう
不満や怒りを感じても、「大丈夫」と言ってしまい、意見の違いを表現できないことはありませんか。対立を避け続けると、本音で向き合えない関係が固定化します。
5. 自分の限界を示せない
相手の期待に応えようと、自分の限界を超えて頑張ってしまう傾向はありませんか。自分の気持ちや領域を後回しにすると、相手もあなたの本当の気持ちが分からなくなります。
6. 相手の行動を過度にコントロールしようとする
不安から、相手の予定や行動を細かく確認したり、頻繁に連絡を取ったりしていませんか。これは愛情の表現のようでいて、実は自分の不安から来る管理行動かもしれません。
7. 「本当の自分」がわからなくなっている
周囲に合わせすぎて、自分の好みや考えが分からなくなっていませんか。相手に合わせることで自分の価値を確認しようとすると、徐々に「本当の自分」が見えなくなっていきます。
共依存から抜け出すためのヒント
一人の時間を大切にしてみる
まずは意識的に一人で過ごす時間を作ってみましょう。不安を感じても、それは自然なことです。自分の声を取り戻す第一歩になります。
自分の気持ちを認識し、表現する練習をする
「今何を感じているか」「本当はどうしたいか」を自分自身に問いかけてみてください。日記などに書き出すのもおすすめです。
意見の違いを受け入れてみる
すべてのことで一致する必要はありません。日常の小さな話題から、自分の本当の気持ちを伝える練習をしてみましょう。
人間関係を広げてみる
一人の人に依存するのではなく、複数のコミュニティや関係を持つことで、過度な依存を減らすことができます。
あなたの「本当の自分」を取り戻すために
共依存のサインに気づくことは、より健やかで自分らしい関係を築くための第一歩です。あなた自身の「心地よい距離感」について、今一度考えてみませんか。
Reference
Bacon, I., et al. (2018). “The lived experience of codependency: An interpretative phenomenological analysis.” International Journal of Mental Health and Addiction.
Whitfield, C. L. (1989). “Co-Dependency: Healing the Human Condition.”
Wegscheider, S. (1990). “Another Chance: Hope and Health for the Alcoholic Family.”