Relationships
「人間関係がしんどい」と感じた時に知っておきたい、8つのサイン。
人間関係での違和感や息苦しさは、誰にでも経験することかもしれません。この記事では、心理学の研究をもとに、健全ではない関係性のサインと、自分を守るためのヒントをお伝えします。
by
Takaya Yoshinaka
12/9/24
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気づきは変化への第一歩。あなたの心のシグナルに耳を傾けてみましょう。
大切な人との関係に違和感や息苦しさを感じることは、誰にでも起こりうる自然な経験です。そうした感覚は私たちの心が発する大切なメッセージかもしれません。ここでは、関係性を見直すきっかけとなる8つの特徴について、心理学の研究をもとにお伝えします。
1. 話を聞いてもらえない
誰かに気持ちを分かってほしい、そう思う気持ちは自然なことですよね。しかし関係によっては、分かってくれていないと感じる時があります。
悩みを話すと「気にしすぎ」で片付けられる
「でも」「だって」と否定から始まる返事が多い
自分の感じ方を「違うでしょ」と決めつけられる
気持ちを伝えても「そんなこと言われても」と返される
仕事での悩みを相談した時、「あなたなら大丈夫」「気にしすぎだよ」と軽く流されてしまうことがありますよね。相手は励ましのつもりかもしれないけれど、その言葉に寂しさを感じることもあります。
気持ちを分かってもらえないと感じると、だんだん話すことをためらってしまいます。でも、あなたの気持ちは、きちんと聞いてもらう価値があるものなのです。
2. いつも自分が悪い
人との関係では、時に意見が合わないこともあれば、小さな失敗をすることもありますよね。本来なら、そんな経験も関係を深めるきっかけになるはずなのに。
些細なことでも必ず謝らされる
相手の機嫌が悪いのは自分のせいだと思う
「あなたがこうしたから」と責められ続ける
自分の意見を言うと必ず否定される
約束の時間に少し遅れただけなのに、まるで大きな過ちを犯したかのように責められる。そんな経験を重ねていると、自分の行動にいつも自信が持てなくなってきますよね。
でも、関係の中で起きる小さな行き違いは自然なこと。それを責め合うのではなく、理解し合える関係こそが、本当の絆なのかもしれません。
3. 周りとの関係が薄れていく
人生は、様々な出会いと関係で彩られています。家族、友人、同僚—— 。それぞれの関係があることで、自分自身を成長させてくれることもあります。しかし、特定の関係に過度に依存すると、その他の関係が希薄になることも。
友達との約束をよくキャンセルするようになった
家族との時間が減っている
「最近変わった」とよく言われる
新しい人と会うのが怖くなった
親友からのお誘いを何度も断ったり、家族の大切な行事に参加できなくなったり。「この関係を大切にしたい」という思いが、逆に他の大切な関係を遠ざけてしまうんですよね。
人は誰でも、いろんな関係の中で自分らしさを見つけていくもの。一つの関係だけに縛られすぎると、かえって自分を見失ってしまうかもしれません。
4. 夢が語れない
本来、大切な人とは未来の話をワクワクしながら語り合えるはずですよね。でも、そんな何気ない会話さえ、難しく感じることがあります。
将来の話をすると必ず否定される
自分の夢を笑われる
新しいことへの挑戦を邪魔される
このままでいいやと諦めている
新しい資格に挑戦したいと話すと「今のままでいいじゃない」と遮られたり、転職を考えていることを話すと「今の仕事を大切にしなさい」と諭されたり。そんな言葉に、少しずつ夢を語る気持ちが萎えていきます。
でも、誰にだって自分らしい未来を思い描く権利があります。むしろ、お互いの夢を応援し合える関係こそ、本当の絆なのかもしれませんね。
5. 心と体が疲れている
時として、心の疲れは体の不調となって現れることがあります。そんな変化に気づいていませんか?
眠れない夜が増えた
食欲が変化した
頭痛や胃痛がよくある
疲れが取れにくい
明日の予定を考えると胸が締め付けられて眠れなかったり、食事の時間が来ても全く食欲が湧かなかったり。これって、私たちの心と体が出しているSOSのサインかもしれません。
体調の変化に気づいたら、それはきっと立ち止まって自分の気持ちに耳を傾けるタイミング。自分を大切にする時間を作ってみませんか。
6. 好きなことができない
自分の好きなものを大切にできる—— それは、自分らしく生きていく上でとても大切なことです。しかし、そんな好きなことが制限されている状況は、あなたにとって良くない関係かもしれません。
好きな服が着られなくなった
趣味の時間が減った
SNSでの投稿を制限される
「似合わない」とよく言われる
好きな服を着ようとすると「そんな服は私の好みじゃない」と言われたり、大切な趣味の時間も「無駄なことに時間を使いすぎ」と批判されたり。そうした経験が重なると、自分の好みや価値観を大切にする気持ちが薄れていきます。
でも、一人ひとりの個性や趣味は、その人らしさを作る大切な要素。誰かに合わせすぎて、本来の自分らしさが失われていくのは、とても残念なことです。
7. 関係を見直せない
関係に違和感を覚えても、なかなか行動に移せないことってありますよね。それは、とても自然なことです。
一人では生きていけない気がする
相手が困るからと我慢している
周りの目が気になって動けない
この先どうなるか考えると怖くなる
「一人になったら何も出来なくなる」という不安や、「相手のことを考えると離れられない」という思い。そんな気持ちに縛られて、変化を選ぶ勇気が持てないのは自然なことです。
でも、関係を見直すということは、必ずしも「すべてを終わらせる」ことを意味しません。時には、少し距離を置くことで、より健康な関係を築き直せることもあるのかもしれません。
8. 笑顔が消えていく
人との関係は、本来なら私たちの人生に喜びや充実感をもたらすもののはず。でも、そんな自然な感情さえも失われていくことがあります。
朝、目覚めるのが辛い
何をしても楽しくない
笑顔で過ごせる時間が減った
生活の中から色が消えたように感じる
以前なら心躍ったことにも喜びを感じられなくなったり、友人と会っても心から笑えなかったり。そんな風に、毎日が少しずつ色を失っていくように感じることはありませんか。
より良い関係のために
ここまでお話ししてきた特徴に心当たりがあったとしても、それは決して「あなたが間違っている」ということではありません。むしろ、自分自身や大切な関係について、より深く理解するためのきっかけとして受け止めてみませんか。
自分の気持ちを日記に書き留めてみる
信頼できる人に少しずつ話してみる
自分の時間を大切にする習慣をつくる
必要に応じて専門家に相談してみる
関係を見直すのは、とても勇気のいることです。特に大切な人との関係であればあるほど、変化を恐れる気持ちが強くなるのは自然なことです。
でも、あなたにはより充実した関係を築いていく力があります。今日の気づきが、あなたらしい人生を生きるための大切な一歩となることを願っています。
Janika Veasley, Marriage and Family Therapist (2021). "Understanding Toxic Relationship Patterns: A Clinical Perspective" Personal Interview
Lena Derhally, Couples and Trauma-Informed Psychotherapist (2021). "The Impact of Emotional Abuse in Relationships" Personal Interview
松本真理子・山田健志 (2023).「現代日本における対人関係性の病理と回復への道筋」『心理臨床研究』41(2), 89-102.
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National Domestic Violence Hotline (2021). "Power and Control: Break free from abuse"
Women's Health Office (2021). "Emotional and Verbal Abuse: Understanding the Signs and Impact"
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