Relationships
「関係性に区切りをつけられない」あなたに伝えたい、前に進むためのヒント。
大切な関係が終わった後、なかなか前に進めないと感じることは自然な経験です。この記事では、心理学の研究をもとに、自分のペースで心の整理をしていくためのヒントをお伝えします。
by
Takaya Yoshinaka
12/7/24
✓
過去を手放すことは、自分を大切にする選択の一つです。
誰にでも、過去の関係性が心に重くのしかかる時があります。「なぜ終わってしまったのだろう」「もし、あの時違う選択をしていれば」という思いが、静かな夜に突然押し寄せてくることもあるでしょう。
そんな経験は、決して特別なものではありません。むしろ、その関係性があなたにとって大切だったからこそ、自然な心の動きといえるかもしれません。
心の整理のプロセスについて
関係性の区切りをつけること、「クロージャー」は、一人ひとり異なる形で進んでいく心理的なプロセスです。実際の研究では、このプロセスが次の段階への成長につながる重要な機会となることが示されています。
まずは、あなたのペースを大切にしながら、心の整理を始めていきましょう。
心の整理が難しいと感じる時
周囲からのプレッシャーについて
「もう忘れた方がいい」「次に進むべきだよ」という周囲の言葉に、かえって心が凍りついてしまうような経験があるかもしれません。心理学研究では、こうした外的なプレッシャーがかえって心の整理を難しくすることが指摘されています。
自分の気持ちに向き合うこと
自分の中に、様々な感情が存在することに気づくかもしれません。それは自然なことです。大切なのは、それらの感情を否定せず、ゆっくりと受け止めていくことです。
自分のペースで前に進むためのステップ
感情を認める時間をつくる
静かな場所で、今の気持ちに目を向けてみましょう。例えば、次のようなことを試してみるのもいいかもしれません。
今の気持ちをそのまま受け止める時間をつくる
感じていることを言葉にして、ノートに書き留めてみる
書いた内容を読み返し、新たな気づきがあれば、それも記録する
感情を言葉にすることで、漠然とした不安や悲しみが少し整理されることがあります。たとえば、「さみしい」という感情の中に、「相手のことが心配」という気持ちや、「自分の選択は間違っていなかったか」という迷いが含まれていることに気づくかもしれません。
そうした気づきは、必ずしもすぐに答えを導き出すものではありません。でも、自分の気持ちを丁寧に見つめ直すことで、少しずつ心が整理されていくのを感じられるかもしれません。
新しい視点を見つける
研究によれば、関係性の終わりは、むしろ自己理解と成長の機会になり得るといいます。次のような視点で振り返ってみましょう。
この経験から学んだことは何だろう
自分自身について、新しく気づいたことはあるだろうか
これからの自分に活かせることはあるだろうか
振り返りの過程で気づいた学びは、一つ一つが大切な気づきです。たとえば、「自分にとって大切な価値観に気づいた」「相手の気持ちを理解する大切さを学んだ」など、具体的な学びが見えてくるかもしれません。
そうした気づきは、次の関係性をより豊かなものにしていく可能性を秘めています。
小さな一歩を踏み出す
無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
日々の生活の中で、自分を大切にする時間をつくる
信頼できる人に、少しずつ気持ちを話してみる
必要に応じて、カウンセラーなど専門家に相談することを検討する
一歩を踏み出すことは、必ずしも「すべてを忘れる」ことではありません。その経験を大切な思い出として受け止めながら、新しい自分の物語を紡いでいくことができます。
例えば、「今日は少し長めに散歩をしてみよう」「好きな音楽を聴きながらゆっくり過ごそう」など、小さなことから始めてみるのもいいでしょう。
大切なメッセージ
心の整理は、決して一直線には進みません。良い時も、難しい時も、それはあなたが前に進もうとしているプロセスの一部です。自分のペースを大切にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
Hendrickson NR, Zhao F, Long K. (2016). The relationship between emotional well-being and a lack of closure with ex-partners. Journal of Psychological Research, 22(1), 15-28.
Kansky J, Allen JP. (2017). Making sense and moving on: The potential for individuals and interpersonal growth following emerging adult breakups. Emerging Adulthood, 6(3), 138-151.
Relationships