Self-Discovery

自分だけの価値の見つけ方は?「自分らしさ」を見失った時に立ち止まって考えたいこと。

誰にでも、自分に何の価値があるのか不安に思い、自分らしさを見失ってしまう時があります。この記事では、心理学の研究をもとに、あなたが本来持っている価値に気づき、それを育んでいくためのヒントをお伝えします。

by

Takaya Yoshinaka

2/2/25

ファクトチェック済み

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本記事は査読付き学術論文および実証研究に基づいています。

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あなたの価値は、誰かが決めるものではありません。

「自分には何も価値がないのでは」。そんな思いが心をよぎることは誰にでもあります。仕事でつまずいた時、人間関係に悩んだ時、これからの道筋が見えない時。そんな時、私たちは自分の価値を見失い、立ち止まってしまうことがあります。

実は、価値というものは誰かが決めてくれるものではありません。それは時として不安を感じさせますが、同時に、自分らしい価値を見つけていける可能性でもあります。大切なのは、その気づきと少しずつ向き合っていくことです。

自分の価値は、外側からは決められない

私たちは時として、周りの評価や目に見える結果で自分の価値を測ろうとしてしまいます。でも、心理学の研究が教えてくれるのは、そうした外側からの評価と、本当の自分の価値は必ずしも結びついていないということです。

たとえば、カウンセリング心理学の分野では、「条件付きの自己価値」と「無条件の自己価値」という考え方があります。条件付きの自己価値とは、「結果を出せば価値がある」「誰かに認められれば価値がある」というように、何かの条件と結びついた価値観です。

一方で無条件の自己価値とは、そうした条件に関係なく、あなたはあなたであるということだけで価値のある存在だという考え方です。これは、たとえば子どもの成長を見守る時の親の気持ちに似ています。テストの点数が良くても悪くても、運動が得意でも不得意でも、その子はその子として大切な存在です。同じように、私たち一人一人にも、成功や失敗、得意不得意に関係なく、その人らしさという固有の価値があります。

この「無条件の自己価値」は、必ずしも「何もしなくていい」ということを意味しているわけではありません。むしろ、「自分には基本的な価値がある」という安心感があるからこそ、失敗を恐れすぎることなく新しいことに挑戦したり、自分の可能性を広げていったりできるのです。


小さな一歩から始める、自分との対話

では、どうすれば自分の価値に気づき、大切にしていけるのでしょうか。ここでは、実践できる3つのアプローチをご紹介します。


1. 「価値がない」という言葉を手放してみる

自分を否定的に評価する習慣は、少しずつ変えていくことができます。「価値がない」という言葉を使う代わりに、「まだ見つけられていない」「これから見つけていける」という表現を使ってみましょう。この小さな言葉の変化が、新しい可能性への扉を開くきっかけとなります。


2. 日々の小さな気づきを大切にする

毎日の生活の中で、あなたらしさが垣間見える瞬間があります。誰かの言葉に心が動いた時、何かに夢中になっている時、誰かの役に立てた時。そんな小さな気づきを、可能であれば書き留めてみてください。それらの積み重ねが、あなたらしさを形作っていきます。


3. 完璧を求めすぎない

自分らしさを見つめる旅には、正解も完璧もありません。時には立ち止まることも、遠回りすることも、全て大切な過程です。むしろ、そうした試行錯誤の中にこそ、かけがえのない学びが隠れています。


明日からできること

最後に、明日から始められる具体的な実践をご紹介します。

まずは、一日の終わりに「今日のよかったこと」を思い返してみましょう。それは、誰かに親切にできたことかもしれませんし、小さな発見があったことかもしれません。良かったことが特に思い当たらない日は、「明日はこんなことをしてみたい」と考えてみるのもいいでしょう。

大切なのは、この振り返りを通して、あなたの中にある様々な可能性に目を向けること。完璧を求めるのではなく、一歩ずつ、あなたらしい歩み方を見つけていってください。

References

References

  • Bilfulco, A., Moran, P. M., & Lillie, C. B. (2002). Adult attachment style: It's relationship to psychosocial depressive-vulnerability. Soc. Psychiatry and Psych. Epidemiology, 37, 60-67.

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